バウンス
ハードバウンス
ハードバウンスとは、受信側のサーバーが恒久的に拒否したメールです。アドレスが存在しない、ドメインが存在しない、またはサーバーがメールをブロックした場合に起きます。同じメールをもう一度送っても、また失敗します。
ハードバウンスとは?
ハードバウンスとは、届かなかったメールで、今後も届くことがないものです。受信側のサーバーがそのメールを拒否しました。もう一度送っても、サーバーはまた拒否します。
最初にいくつかの言葉を説明します。サーバーとは、常に動いていて、あるドメインのメールを処理するコンピューターです。ドメインとは、アドレスの @ より後ろの部分で、example.comなどです。バウンスとは、メールが届かなかったことを知らせる自動のメッセージです。
バウンスメッセージには必ずコードが入っています。メールの標準規格RFC 5321は、ハードバウンスを「恒久的な否定応答」と呼んでいます。そのコードは5で始まります。例:550 5.1.1。4で始まるコードはソフトバウンスです。ソフトバウンスは一時的なものなので、後で送り直すと届くことがあります。
簡単な例
一般的なリストでハードバウンスが起きる流れは次のとおりです。
- トムがアドレスを集めます。トムは小さなオンライン書店を運営しています。2022年、ある顧客がben@company.exampleで登録します。
- 顧客が退職します。2025年、ベンはCompany Ltdを退職します。会社はベンのメールボックスを閉じます。
- トムがニュースレターを送ります。トムの配信ツールがben@company.exampleにニュースレターを送ります。
- サーバーが拒否します。company.exampleのメールサーバーには、もうベンのメールボックスがありません。サーバーはコード
550 5.1.1で応答します。 - トムにバウンスメッセージが届きます。配信ツールは、そのアドレスをハードバウンスとして記録します。
- トムがアドレスを削除します。ベンの古いメールボックスが戻ることはありません。もう一度送っても、また失敗するだけです。
トムがアドレスを集めたときに、間違いはありませんでした。2022年の時点では実在するアドレスでした。その後に使えなくなり、誰もトムに知らせなかっただけです。
ハードバウンスの2つの種類
どちらの種類も、キャンペーンのレポートでは「ハードバウンス」と表示されます。原因が違い、対処法も違います。
種類1:アドレスに問題がある
メールボックスが存在しない、ドメインが存在しない、またはアドレスに入力ミスがある場合です。ベンのように、社員の退職時に閉じられたアドレスもこのグループに入ります。
大手のプロバイダーは、それぞれ独自の文言で返します。
- Gmailは
550 5.1.1 The email account that you tried to reach does not existを返します。 - Microsoftは
5.1.1 Bad destination mailbox addressを返します。
例:ある顧客がanna@example.comと入力するつもりで、ana@example.comと入力しました。「ana」というメールボックスは存在しません。サーバーはハードバウンスを返します。
種類2:メールがブロックされている
アドレスは実在しますが、サーバーが送信者からのメールを拒否しています。このコードは 5.7 で始まります。
- Gmailの
550 5.7.26は、送信ドメインが認証されていないことを示します。認証とは、メールが本当に送信者から送られたことを証明する、ドメイン上のレコードのことです。 - Microsoftの
5.7.23は、メールがSPFチェックに失敗したことを示します。SPFはそのレコードの1つです。そのドメインのメールを送ってよいサーバーを一覧にしたものです。
コードが5で始まるので、配信ツールはこれをハードバウンスとして数えます。しかし、アドレスには問題がありません。問題は送信側のメール設定にあります。
例:マリアが新しいドメインmaria-design.exampleを用意しました。認証レコードを1つも追加しないうちに、Gmailを使っている顧客にメールを送ります。Gmailは 550 5.7.26 を返します。顧客のアドレスは使えます。直す必要があるのは、マリア側の設定です。
ハードバウンスが重要な理由
メールボックスプロバイダーとは、GoogleやMicrosoftのように受信トレイを運営する会社です。プロバイダーは、存在しないアドレスにどれくらいの頻度で送っているかを数えています。ハードバウンスが多いと、リストを確認していないことがプロバイダーに伝わります。
メール配信サービスもこの数字を見ています。バウンス率とは、送ったメールのうちバウンスした割合です。たとえば1,000通のうち50通がバウンスすると、バウンス率は5%です。Amazonのメール配信サービスであるAmazon SESは、次の基準を公開しています。
| バウンス率 | Amazon SESの対応 |
|---|---|
| 2%未満 | 推奨されている水準です |
| 5% | アカウントを審査の対象にします |
| 10% | アカウントを一時停止することがあります |
つまり、ハードバウンスが1件あっても問題にはなりません。使えないアドレスばかりのリストが問題になります。
ハードバウンスへの対処法
まず、バウンスメッセージのコードを読みます。コードを見れば、どちらの種類のハードバウンスかがわかります。
- コードが
5.1.1、5.1.2などのアドレスエラーの場合。そのアドレスをすぐにリストから削除します。二度と送らないでください。Mailchimpはこのようなアドレスをオーディエンスから自動で削除します。Amazonは送信者に「直ちに」削除するよう求めています。 - コードが
5.7で始まる場合。アドレスは残します。SPF、DKIM、DMARCのレコード、または送信者レピュテーションを改善します。送信者レピュテーションとは、過去の送信実績をもとにプロバイダーが送信者を評価したものです。そのあとで、同じアドレスにもう一度送ります。
コードの一覧と、それぞれの対処法はハードバウンスとソフトバウンスの違いのガイドにまとめています。
検証ツールでの扱い
検証ツールは、送信前に受信側のサーバーへ同じ質問をします。メールアドレス検証ツールはメールサーバーに接続します。そのアドレスあてのメールを受け付けるかをサーバーに確認し、メールを送る前に接続を終えます。サーバーが 550 5.1.1 と答えると、検証ツールはそのアドレスを「無効」にします。キャンペーンの前にそのアドレスを削除できます。メールは1通も送られていないので、レピュテーションに影響はありません。
リスト全体をまとめて確認するには、メールアドレスの一括検証ツールにアップロードします。メールアドレス検証で見つかるのは、種類1の問題、つまり存在しないアドレスです。種類2のハードバウンスは送信側のメール設定が原因なので、検証では防げません。
